能動態と受動態の使い方 OK例とNG例をまとめてみました

こんにちは。

ライティングで使いたい文法について取り上げるシリーズ。

今日はわたしがずっと気になっている「受動態」を取り上げます。

すべての文は「能動態」か「受動態」

あらゆる文は能動態(Active voice)か受動態(Passive voice)に分けられます。

能動態動作主が文頭に来る文 例:The dog chased the cat.
受動態「される」側が文頭に、動作主が文末に来る文 例:The cat was chased by the dog.

上の例は、「犬が猫が追いかける」「猫が犬に追いかけられる」で、まったく同じ意味に見えますね。

ところが!

英作文では、受動態をなるべく使わない方が良い

という話を聞いたことはありませんか?

英作文では受動態を使わない方がよい?

・英語は能動態が基本の言語なので、なるべく受動態はやめた方がよい
・特にアカデミックライティングでは、受動態はなるべく使わない方がよい

こんな指摘をたびたび目にしてきました。

日本語が英語より受動態がよく使われる言語なのは知っていました。わたしが読者さんからいただく英作文にも、受動態は本当によく使われています。

これがアカンとなると困ります。実際、どうなのでしょう?

受動態にはOKとNGな場合が存在する

そこで、英文校正(proofreading)を普段よくしているイギリス人の先生に、この件について聞いてみました。するとやはり、受動態はあまり使わない、という答えが。

そのイギリス人曰く、

・ライティングで受動態を使う場合、受動態でなけれればならない場合にのみ使う
動作主がはっきりしている時は、能動態で書くのが普通
・日本人の英文校正をしていると、受動態がとてもよく使われている。例えば、It is said that… というのような表現を皆よく使う傾向がある

ほほー。

It is said that…なんて、モデルエッセイにも良く載っている表現ですよね。アカンのですか? (;’∀’)

しかし、ここで大切なことは、受動態がOKな場合とNGな場合があるということです。

そして、OKとNGがあるということは、能動態と受動態の文は100%イコールではないという事実です。

同じような内容でも、能動態と受動態では少しニュアンスが違うのですね。

このあたりは、ノンネイティブにはとてもハードルの高いことですが、ナチュラルな英文を書くためにはちょっと意識しなければなりません。

ということで、受動態がOKな場合とNGな場合について、できるかぎり調べたことをまとめてみたいと思います。

まずは、受動態の基本をおさらい

本題に入る前に、受動態の使い方をおさらいしておきましょう。

be動詞+動詞の過去分詞

「される側」を主語にし、動詞は「be動詞+過去分詞」の形にします。また、動作主はbyを前につけます。

能動態:My mother made the pancakes.
受動態:The pancakes were made by my mother.

動作主が分からない、または言う必要がない場合はby以下は省略可です。

This wall was painted long time ago.(誰が塗ったか分からない)

be動詞が使われているので、受動態はbe動詞を使った文のルールと同じです。

Were the pancakes made by your mother?
The pancakes were not made by my mother.

未来形や現在完了形もbe動詞を使った文と同じ作り方です。

English has been spoken around the world for centuries.
The task will be completed soon.

受動態がOKな場合とは?

では、本題にいきましょう。受動態がOKな場合、受動態を使うべきな場合とはどんな時でしょうか?それについて考えてみます。

動作主が分からない、またはどうでもいい場合

Osaka castle was built in 1583.
大阪城は1583年に建てられた

大阪城を建てたのは太閤秀吉ですが、実際に工事をしたのはもちろん大工さんなので誰かはわからないし、大きな関心事ではありません。なので、このような場合は受動態で書くのがふさわしいと思われます。

動作主よりも「される側」がメインの場合

Self-checkout machines have been introduced in many supermarkets.セルフレジが多くのスーパーマーケットで導入されてきた。

これは、「セルフレジ」がトピックの英作文の1文だと思ってください。

セルフレジを扱った英作文では、読者の関心はレジにあり、それを導入したスーパーのオーナーさんに興味はありません。そんな場合は、セルフレジを主語にもってきた方が目立ちますよね。

逆に、「革新的なオーナーたちはセルフレジを導入しつつある」というような文脈であれば、オーナーさんたちが興味の対象になるので、オーナーを主語に持ってきて、能動態で書いた方がよいのです。

Innovative business owners have introduced self-checkout machines.

動作主を意図的にぼやかしたい場合

次の使い方は、能動態と受動態でニュアンスがかなり異なる例です。(英検などのライティングではほとんど使わないと思います)

ある自動車メーカーが排ガスデータを改ざんをしていたというニュースを例に、能動態と受動態の使われ方を見てみましょう。

以下は、nippon.comというサイトから引用させていただきました。

Subaru Corp. <7270> said Friday it has concluded that fuel economy and emission data of new Subaru vehicles were manipulated during preshipment inspections…

Nippon.comより引用https://www.nippon.com/en/news/yjj2018042701157/

この記事は受動態で書かれています。ここでは、排ガスデータが操作されていた、と書かれていますが、誰が改ざんしたかは書かれていません。(実はわかっているのかも?)

同じようなニュースで、今度は能動態で書かれたものがこちら。

Subaru said some employees manipulated fuel economy data during final inspections for several years.

CNBCより引用

https://www.cnbc.com/2018/04/27/subaru-says-employees-manipulated-fuel-economy-data.html

こちらは能動態で書かれており、「会社が従業員がデータを改ざんしたと言った」と書かれています。

このふたつのニュースは内容的にはほぼ同じなのですが、受動態と能動態で、誰に責任があるのかが明らかに違います。

能動態の文は「従業員」の責任が明記されています(会社は従業員に責任をかぶせているのかも?)

受動態で書けば、誰がデータ改ざんの犯人なのかはぼかすことができますが、能動態ではできないのです。

この例を見ても、受動態は情報や責任の所在をぼやかしたいときに便利な形なのだということが分かります。

英検で求められるような英作文は、「あなたの意見」が求められているので、「誰がどうした」という責任の所在をはっきりさせなければならない。その点からも受動態より能動態の方が適している、ということになるわけです。

受動態がNGの場合

受動態がOKな場合を3つ見てきましたので、その逆としてNGの場合をまとめたいと思います。

動作主が明らかな場合

誰が動作主かがはっきりしている場合は、能動態を使うべきということになります。

明確さが求められる文章の場合

学校や試験で求められる文章は明確さを求められるため、あいまいさを回避するために能動態の方がよいということになります。

一方で、同じく明確さが求められるようなテクニカルライティング(技術文書)では、受動態がよく使われます。それは客観的事実を表すのに受動態が向いているからだそう。

ここからも、

自分の意見=能動態
客観的事実=受動態

というルールが見えますね。

以上、ライティングでの受動態のOK例とNG例について考えてみました。

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仮定法?条件文?「もし~だったら」の使い方を徹底解説!

英作文を書いていると「もし~だったら」という表現を使いたくなりますね。例えば、

・もしスーパーマーケットがレジ袋を廃止したら…
・もし夏休みがもっと長かったら…
・もし人類が他の惑星に移住したら…

ifを使わないければ、こんな内容をうまく書きあらわすことはできません。

しかし、ifを完璧に使いこなすのは案外むずかしいのです。

文法書を読んでみても、ifの説明は難解なことが多く、苦手と感じる人が多いようです。

条件文と仮定法は違う?!

ifの代表的な使い方と言えば「仮定法」。ところが、「もし明日雨だったら…」は仮定法ではありませんという解説を読んで「どういうこと?」とパニックになった人はいませんか?

…それはわたしです(笑)

現実に起こることは「条件文」
現実に起こらないことは「仮定法」

さらに、

現実に起こることは「直説法」
現実に起こらないことは「仮定法」

などなど、同じ if なのに、いろんな用語が入れ替わり立ち代わり出てきて、わけわからん~と諦めてしまう学習者が後を絶ちません。

わたしもずっとifの使い方には自信が持てませんでした。ところが、ある時、英語で書かれた文法書を読んだところ、とてもシンプルに分かりやすく書かれていて驚いたのです。

なんで日本の学校でもこんな風に単純明快に教えてくれないの?と心の中で叫びました。

なげいても仕方ないので、ここでご紹介して、皆さんもifをすっきり使いこなせるようになっていただきたいと思います。

4種類のconditionalでifの使い方をすっきり理解

英語で書かれた文法書では、ifの使い方はconditionalという用語で説明されています。

condition=条件、つまり、conditional=条件文、のことです。

conditionalはzeroからthirdまで4種類があり、それぞれ次のような内容を表します。

zero conditional 不変の事実例:水を100度まで熱すると沸騰する
first conditional 起こる可能性の高いことについて例:もし余暇が増えたら、人々は喜ぶだろう(余暇が増える可能性あり)
second conditional 実際に起こるはずがないことについて例:もし余暇が増えたら、人々は喜ぶのに(余暇が増える可能性なし)
third conditional 現在とは違う過去のことについて例:もし余暇が増えていたら、人々は喜んでいただろうに(過去に余暇が増えたことはなかった)

それでは、ひとつづつ使い方を詳しく見ていきましょう。

用語説明

ifを使った文は、if節主節に分かれます。

If it rains tomorrow, I’ll stay home.

上の例では、if it rains tomorrow, までがif節で、条件の部分。
I’ll stay home. が主節で、この文のメイン部分です。

zero conditional 不変の事実

If you heat water to 100 degrees, it boils.
(水を100度まで熱すると沸騰する)

zero conditionalは100%起こること、不変の事実を表します。日本の学校でzero conditionalに相当する文法を習った記憶がないです(If I remember correctly…)

If S V(現在形), S V(現在形)

if節の中は現在形、主節も現在形で書きます。

英検ライティングではあまり不変の事実を書くチャンスがないので、めったに使わないかもしれませんが、リーディングの自然科学系のネタで出てきそうです。

first conditional 起こる可能性の高いことについて

If people have more free time, they will be happy.
もし余暇が増えたら、人々は喜ぶだろう

first conditionalは「明日雨がふったら…」のような普通のif文です。ライティングではこのfirst conditionalを一番よく使うことになるでしょう。

If S V(現在形), S will V

主節で用いる助動詞は通常willですが、may might couldも使えます。

if節は未来のことですが、それが実際に起こると考えているので、動詞の現在形で書きます。このルールは、ifだけでなく、when, after, before などの時を表す接続詞の時も同じです。

When we are lack of sleep, we will lose concentration.
(睡眠不足になると、集中力が失われます。)
After I finish homework, I’ll call him.
(宿題が終わったら、彼に電話します。)

if節は主節の後ろに置いてもよく、その場合は主節とif節の間にカンマは要りません。

People will bring their own shopping bags if supermarkets stop giving free plastic bags.
(スーパーが無料のレジ袋配布をやめたら、人々は買い物袋を持参するだろう)
Foreign tourists might be discouraged to shop if the consumption tax increases.
(もし消費税が上がったら、外国人観光客はショッピングを控えるかもしれません)

日本の文法書ではfirst conditionalを「直説法」と説明

学習者によく使われている文法書Forest(桐原書店)では、first conditional のことを「直説法」と呼んで「仮定法」と区別しています。

直説法=現実のことや現実に起こる可能性のあることを表す動詞の形

仮定法=現実とは違うことを表す動詞の形

second conditional 実際に起こるはずがないことについて(仮定法過去)

If people had more free time, they would be happy.
もし人々にもっと余暇があれば、みんな幸せだろうに

second conditionalは「仮定法過去」です。

仮定法過去は、現実とは違う条件について考えます。「もし~なら、~だろうに」です。

例では、実際は忙しすぎて余暇がないから幸福度が低い、とややネガティブなニュアンスになっています。

If S V(過去形), S would/might/could V

second conditionalは、if節の動詞が過去形で、主節の助動詞がwouldになります。might, couldも使えます。

「~すべきか?」系トピックで使いやすいsecond conditional

second conditional(仮定法過去)は、「~すべきか?」系トピックなどで使えそうです。

例えば、「制服を着るべきかどうか?」というトピックで以下のように書くと、現在制服着用を強要されているために起こるデメリットを強調することができます。

If students were allowed to wear whatever they want, they would be able to express themselves more freely.
もし生徒たちが好きなものを着ることが認められていれば、もっと自由に自分を表現できるだろうに(現実には制服着用義務があるため、個性が表現できない)

単純に制服廃止のメリットについて書きたいのであれば、first conditional で書くのもアリです。その場合は以下のようになります。

If students are allowed to wear whatever they want, they will be able to express themselves more freely.

非現実の設定を使って、説得力アップ

仮定法過去と言えば、よく例に出されるのが、「If I were a bird, I could fly freely.(もしわたしが鳥だったら、自由に飛べるのに」みたいな非現実的な文です。

非現実的な設定を使うと、エッセイの理由部分を強調的に書くことができますね。

例えば、2018年度第1回検定の準1級に出題された「動物園の是非」トピックで、「動物園は動物の虐待である」という立場で英作文を書きたい場合、以下のような非現実的な設定を使うと理由部分の説得力がアップしそうです。

If human beings were kept in a cage, it would be seen as an abuse. Then, how about animals?
(もし人間がオリで飼われたとしたら、それは虐待とみなされるだろう。それでは、動物は?)

ちなみに、仮定法過去でif節にbe動詞を使う時は、if I were you…のように、主語に関係なくwere を使うとされていますが、口語ではwas も使われるそうです。ライティングではwereを使うのが無難でしょう。

third conditional 現在とは違う過去のことについて(仮定法過去完了)

If I had studied harder, I would not have failed the exam.
(もしもっと勉強していたら、その試験に失敗しなかっただろう)

third conditional は仮定法過去完了です。

過去の事柄について、「もしそうでなかったら…」と現実とは違う場合にどうなっていたかについて語る時に使われます。英検のライティングではあまり使うチャンスがないかもしれません。

If S V(過去完了), S would/could/might have V

「もしあの時~だったら…」の形はライティングで便利

Third conditionalは、以下のような形式だとライティングで便利に使えそうです。

下の例は、if節と主節で、表す時がずれています。

What would our lives look like today if the Internet had not been invented?
(もしインターネットが開発されていなかったら、わたしたちの生活は今日どうなっているだろう?)

if節では過去の事実と違うことについて言っているので、third conditional。主節は現在の現実と違うことについて考えているので、second conditional になります。

現在当たり前になっているようなことを「もし違っていたら?」と問いかけるのは、作文でよく使われる手法です(いわゆるタラレバ)。Introductionの中で英作文のつかみとして使うのはいかがでしょうか?

例:インターネットの影響についてのトピックなどで

What would the world be like today if the Internet had not been invented? This question may sound silly because the Internet has been having a significant impact on every aspect of our lives…(もしインターネットが発明されていなかったら、世界は今日どのようになっていただろう?バカな質問に聞こえるかもしれない。というのは、インターネットは私たちの生活のあらゆる面に大きな影響を与え続けているから…)

まとめ

zero conditional 不変の事実 If S V(現在形), S V(現在形)
first conditional 起こる可能性の高いことについて If S V(現在形), S will V
second conditional 実際に起こるはずがないことについて If S V(過去形), S would/might/could V
third conditional 現在とは違う過去のことについて If S V(過去完了), S would/could/might have V

いかがでしたか?

‘conditional’をキーワードに検索すると、Youtubeなどで文法解説の動画がたくさんヒットします(英語解説)。分かりやすい動画がたくさんあります。リスニングのトレーニングにもなるのでおすすめです。

conditionalでifを使いこなしてくださいね!

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