【大学入試】英検はいつまでに何級に合格すればいいの?英検2級・準1級

このサイトを見てくださっている方の中には、大学入試で英検®を利用したい学生さんがいらっしゃると思います。

共通テストの民間英語資格試験の活用は延期されましたが、英検を入試に活用する大学は今年もたくさんあります。では、いつまでに何級を取得すれば大学入試で有利になるのでしょうか。今日はこの点について検討してみます。

理想は準1級合格 現実的には英検2級合格

結論から言うと、理想は英検準1級合格。しかし、現実的には英検2級を目指すのがおすすめです。

期限は高校3年生の夏休み前までです。

多くの大学で英検準1級を持っていると英語の試験が免除されたり、100点換算されたりするので英検準1級を目指す高校生が多いです。

しかし、現役高校生を指導したり、我が子の高校生活などを見て私が思う結論は上の通り。その根拠を説明しますね。

英検2級は高校生なら合格できる

まず一番の理由は、英検2級なら高校生全員合格できます。

もちろん「努力すれば」と但し書きはつきますが、おおむね合格できる可能性大です。

その理由は、内容が高校で習う英語の内容とちょうどつりあっているからです。

英検協会によると、2級は「高校卒業程度」となっています。おそらく高校で習う内容に合わせているのです。

もし英検2級をまだ受験したことがない、みたことがない場合は英検®公式サイトで最新3回分の過去問が見られますのでご覧ください。そして高校生の方ならご自分の英語の教科書と比べてみてください。それほど大きな差はないはずです。

ちなみに前回の試験では、長文で出題されている内容は

アメリカのホームレスを救うプロジェクト

地球温暖化による海面上昇

野生動物の季節による集団移動

など、高校生でも十分理解できるような内容です。

ライティングのトピックも、人間の寿命が長くなっていることに関するもので、医療発展や食生活の向上など、身近な理由で書けそうなものです。

このように、2級は学生が受験することを想定して作られていることが分かります。2次試験(面接)もカードはマンガのようなイラストが描いてあり、明らかに子どもが受けることを想定しています。

また、特に海外経験がなくとも答えられるような問題が中心です。日本の義務教育の英語だけで十分答えられるように設計されています。つまり、2級は日本の高校生以下をきっちり合格させようという意図で作られているのです。

準1級はいきなり難易度アップ

2級に比べると、準1級はいきなり難易度がアップします。

英検協会が設定している準1級のレベルは「大学中級程度」。ということは共通テスト(旧センター試験)より難易度高めに作られているのではないかと思います。

対象となる受験者は大学生や大人に設定されているようです。そのため、社会的な内容が増えます。

ちなみに直近の試験で出題された長文のテーマは以下の通り。

ある蛾の生態について

アメリカの医療現場における患者の扱い方の変化について

ある島における部族について

などなど、身近な問題は少なくなり、学術的だったり新聞のコラムに載っていそうな内容になります。

ライティングトピックも「ツーリズム」に関するもので、ビジネスや社会に関心がないとやや難しく感じるものになります。

準1級はボキャブラリーの難易度が高い

2級との一番大きな違いはボキャブラリの難易度だと思います。準1級では以下のような語彙が出題されます。半分くらい分かれば準1級を受けても大丈夫だと思いますが、もしまったく見たこともないのであれば、難しいかなというところです。

fatigue, submission, expertise, exceptional, physically, stem, compulsory, predict…

私の経験では、準1級に合格している高校生は、海外生活経験があったり、英語にかなり興味があって自分で海外ドラマを見たりインターネットで海外コンテンツを見て楽しめるくらいの英語力がすでにある、また精神的にかなり成長していて時事的な内容を(日本語でも)しっかり理解できているような生徒です。

期限は高校3年生の夏休み前まで。

時期については、3年生の夏休み前までが現実的なところだと思います。

通常、英検は6月、10月、1月に公開試験を行います。2次試験は1次試験の翌月あたりになるので、7月、11月、2月くらいに合格発表があります。

大学入試が本格化するのが秋から冬にかけてですが、大学入試の教科は英語だけではありません。少なくとも3教科(1教科のところもありますが)、国公立なら5教科。共通テストの勉強もしなければなりません。それを考えると英検に力を注げるのは夏前まで。6月の試験が実質最後の試験になります。

高1の間に2級合格なら準1級も射程内?

英検と大学受験のスケジュールから考えると、高校入学後に受験できる英検の回数は7回です。

高1×3回+高2×3回+高3×1回

今年のように感染症流行で試験がキャンセルされたり、部活や体調で受験できなかったりするともっと少なくなります。

また、英検の各級の難易度の差はけっこうあります。準2級→2級は一発合格もそれほど珍しくありませんが、2級→準1級の一発合格はいまのところお目にかかったことがありません。

総合的に考えて、もし準1級を本気で狙うのであれば、高1の間に2級に合格しておかなればかなり難しいと思います。

CSEスコアの入試利用も増えている

ここまでで、高校生にとって2級は合格圏内だが準1級は難易度高という話をしました。

しかし、ここで別の戦略を提案したいと思います。

級にこだわるのではなくCSEスコアにこだわる戦略です。

CSEスコアとは

CSEスコアとは英検の点数を元に算出したスコアのことです。CSEスコアについては以下の記事で詳しく解説しております。

近年、級に加えCSEスコアの値で換算や加点をする大学が増えてきています

こちらは学習院大学の国際社会科学部の募集要項(パスナビの検索結果)です。

英検結果によって出願と換算がありますが、級に加えてCSEスコアによって可算される点数が違います。

2級の場合は3種類あり、CSEスコア1980→100点、2120→110点、2260→120点、となります。

もし2級合格でCSEスコアが2260点以上あれば、準1級合格で2304~2539と比べて10点しか換算結果が変わりません

2級は満点が2600点ですので、2級を複数回受験してCSEスコアをなるべく高くしておくと準1級合格にかなり近い加点がもらえることになります。

実際、わたしの生徒にもこのような効果を狙って2級を繰り返し受験した生徒もいます。もし希望している大学がこのようなCSEスコアの利用方法をしているのであれば、無理に準1級合格を目指すよりも少ない勉強量で同等の効果を得られる可能性があります。

まとめ
大学受験に英検を利用するなら、理想は準1級合格。現実的には2級合格。
時期は高校3年生の夏休み前まで。
準1級合格を本気で目指すなら、高校1年生の間に2級に合格しておこう。
2級のCSEスコアを高めておけば、準1級と同等程度の加点などがもらえる場合もある。

英検®CSEスコアの満点・合格点・素点の真実【英検®配点】

英検がCSEスコアを採用して2年経ちました。

かなり浸透してきたとはいえ、やはり2016年以前に比べると分かりにくくなったので、一覧にまとめてみました。元の点数(素点)とCSEスコアの関係についてもご紹介しますね。 

英検のCSEスコア概要

英検と言えば4技能が測れる資格。4技能とは、以下の4つのスキルです。

・Reading(読むスキル)
・Listening(聞くスキル)
・Writing(書くスキル)
・Speaking(話すスキル)

各スキルは均等に同じスコアが割り当てられています。

例えば、2級は各パート650点満点で、合計2600点。
一次試験はRLWの3技能で、合格点は1950点中1520点で毎回固定。
二次試験はS650点中460点が合格点です。

級によって各スキルの満点も合格点も違います。それをわかりやすく画像にまとめると以下の通りです。

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各級のCSEスコアの満点と合格点

各級の問題数(1次試験)

CSEスコアは調整後の点数。元の点数(素点)は級によって問題数が違うためバラバラです。各級のRLWの問題数はこちらです。

 RLW
 1級412732
 準1級412416
 2級383016
 準2級373016
 3級303016
 4級3530 
 5級2525 

こうやってみると、下位の級はリスニングの割合が多くなっています。

英検4級と5級はいまのところRLの2技能。スピーキングテストはありますが、合否には関係ありません。いずれは4技能になる予定のようです。

CSEスコア>素点

英検サイトによると、CSEスコアはItem Response Theoryという手法を使って計算されているそうです。実施回ごとに違うため、素点がわかってもCSEスコアがいくらになるかはわかりません。

ただハッキリしているのは、素点の正答率とCSEスコアは別ものだということ。

例えば、2016年第2回の2級の1次試験の素点とCSEスコアがこちら。

 RLW
素点(正答率)15(39%)21(70%)12(75%)
CSEスコア(%)487(75%)518(79%)520(80%)

これを見ると、CSEスコアの方が素点よりも高めになっています。

リーディングパートのCSEスコアは高く出る

リーディングは、驚くことに、素点の正答率が39%にも関わらず、CSEスコアは75%になっています。これは、ボキャと長文で問題数が多く、難易度が高いので、みんなそえほど正解できていないということを表しています。

ということは、自己採点をして素点が悪かったとしても、決してあきらめる必要はないということです。みんなが出来ていないから、CSEスコアは高くなるのです。

自己採点で素点が悪くても二次対策しておこう

また、ライティング(W)を見ると、素点では75%の出来ですが、CSEスコアは80%になっています。リーディングほどではありませんが、CSEスコアの方が高目になっています。

リスニング(L)もCSEスコア>素点になっています。

つまり、例えば大学受験のためにCSEスコア2000点を目指しているような人は、自己採点で素点が悪かったとしても、決して絶望する必要はないということなのです。CSEスコアは予想より高くなる可能性があるので、自分を信じて二次対策に進んでよいということです。

皆さん、引き続きがんばってください!

英検®CSEスコア2200以上が今後ますます注目されるわけ – 英検®と大学入試

こんにちは。

このブログに来てくださる方は、英検合格をめざして日々努力されている方々だと思います。しかし、今後英検は、単に合格したかどうかだけでなく、CSEスコアの結果が非常に重要になるかもしれません。

特に英検を大学受験に活用したいと考えている方は、CSEスコアの結果が受験の合否を左右するかもしれません。ぜひこの記事を参考にしていただければ幸いです。

CSEスコアとは?

まず、CSEスコアについて簡単にご説明しましょう。

英検を受験すると、合否とは別にCSEスコアについて結果が返ってきます。例えば、下は英検2級を受験したある学生のCSEスコアです。

リーディングリスニングライティングスピーキング合計
4875185204731998

英検は4技能についてテストする試験で、英検®2級の場合は各スキルのCSEスコアが650点満点で、合計2600点中1980点以上で合格になります。

この方は合計1998点なので、ギリギリ合格でした。

このように、各スキルを数値化したものをCSEスコアと呼んでいます。CSEスコアにすることで、級をまたがってその人の英語力をスコア化することが可能になりました。

英検CSEスコアについては英検サイトを参照↓

英検CSEスコア

CSEスコアなら1点刻みで英語力を証明可能

CSEスコア導入以前は、英検は各級間のレベル差が大きすぎるため、同じ級の合格者であっても実力差がありすぎてあまり信頼できない、と言われていました。

それに対して、TOEICは5点刻みで結果が出るので、本当の実力が分かりやすいと企業を中心に高評価されていたのです。

しかし、CSEスコアを取り入れたことによって、英検はなんと1点刻みで英語力を証明できるようになりました。そこで、大学受験を中心に、英語力の証明にCSEスコアが広く使われるようになってきたのです。

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CSEスコアは世界基準に対応

また、このCSEスコアは、語学の運用能力を測る国際的標準規格であるCEFR(セファール)に対応しているそうです。つまり、CSEスコアを見れば、どれくらい英語が話せる人なのかが世界的に証明できるということです。

現在、CEFRは言語の運用能力を表す国際的な基準として広く使われており、これを採用することによって、英検も世界に通用する検定として使うことが可能です。留学などで英検を英語力の証明として使えればとても便利ですね。

大学のCSEスコア活用例

早稲田大学文化構想学部 CSE2200点以上英語試験免除

大学受験でCSEスコアによる合否判定がされている例をご紹介します。

2018年度、早稲田大学の文化構想学部の一般(英語四技能試験利用型)で、CSE2200以上あると英語の試験が免除され、国語と地歴の2教科で受験することができます。

早稲田大学 文化構想学部入学試験情報

上のページを読んで驚くのは、英検について2016年4月以降の受験者については英検の合否は関係なく、CSEスコア2200点以上(各技能500点以上)であればOKという点です。つまり、合格してなくても使えるということです。

実際のところ2200点取るためには2級は合格点以上だし、準1級も1次試験はクリアしなければムリです。でも、準1級の1次は合格したけど2次試験でちょっと足りなくて不合格だった人も、早稲田大学のこの学部なら英語免除が受けられるのです。

明治大学経営学部 CSE2200以上英語試験免除

明治大学でも、経営学部が2018年度の一般入試・英語4技能試験利用方式でCSEスコア2200以上で英語の試験が免除になります。

2018年度明治大学一般入学試験要綱

英語民間テスト活用については、リンクのpdfファイルP14に詳しく書かれています。

2級・準1級・1級のCSEスコア2200点以上(各技能530点以上)で試験免除。しかも、「英検については,各級の合格・不合格ではなく,CSE2.0のスコアが基準となります。」と但し書きもあります。不合格でもOKと明記されているのです(*’▽’)

準1級に合格していると加点もされるので、明治大学の経営学部に行きたい人は英検準1級に合格しているとかなり有利ですね。

おまけ:わたしの英検1級合格時のCSEスコアを確認してみました

最後におまけなのですが、わたしの英検1級合格時のCSEスコアを確認してみました。

英検のサイトでは、過去に受験した検定時のCSEスコアが確認できるようになっています。確認できるのは、2005年度から2015年度までに受験した分です。

スコアの確認は英検CSEスコア確認

わたしのスコアはこちら↓

リーディングリスニングライティングスピーキング合計
7017236466392709

こんな感じです(笑)

全体的に低いですね。特にライティング…

当時28点満点中16点しかありませんでした。そのころは、まだライティングの楽しさに気づいていなかったんですね…

それでも一応合格できたので、しつこく勉強すればだれでも英検に合格することは可能です。努力は裏切りません。引き続き、がんばりましょう!