【英検®1級】感染拡大予防と経済活動 どちらを優先すべき? 英作文例

cheetahさんによる写真ACからの写真

こんにちは。

今日は長めの英作文をご紹介します。

トピックは、感染拡大予防と経済活動 どちらを優先すべき?

という、今まさに世界が直面している課題です。
 
このトピックは先日受講した日向清人先生のレッスンでの課題でした。

私が事前に脳をしぼって書いた英作文を、当日先生に手直してしていただいたものをシェアします。

試験向けに書いたものではないのでやや長めですが、レベル的には英検®1級程度かと思います。参考になれば幸いです。

感染症予防 vs 経済活動

今回のエッセイは現実世界の流れに沿って「感染症予防優先」という立場で書きました。
 
感染症予防を優先する理由は次の3つにしぼりました。
 
・都市部の人口密度が高いから
・グローバリゼーションと移動手段の発達で人間の移動性が高まっているから
・医療崩壊のリスクがあるから

Introduction: 感染症予防と経済活動は trade-off

イントロでは、フックとして感染症予防と経済活動が両立できない問題(a trade-off)であることを述べました。
 
フックとは「前振り」みたいなところで、そのテーマに興味を持ってもらうための大切な部分です。両立できないと述べておいて、以下の3つの理由から感染予防を優先すべきと結びます。
 
Some say that preventing the spread of viruses should be a priority, but others say that economic activities should never be sacrificed. At the heart of this issue is a trade-off: which of the two should take priority over the other? We need to strike a balance between the two factors. I believe that prevention of the spread of coronavirus should take priority for the three reasons explained below.

Body1 都市部の高い人口密度による感染爆発

イントロに続く最初のBodyパラグラフでは、都市部の高い人口密度により感染が一気に拡大するリスクがあることを述べます。
 
トピックセンテンスはこの一文です。
 
the high density of urban population tends to advance the spread of coronavirus.
 
ここで使っている advance は「促進する、早める」などの意味。こんな使い方知らんかった~。
 
トピックセンテンスに続けて、
 
And once this happens, there is no way to slow or stop the infection rate, resulting in a paralysis of every aspect of society.
 
一旦ひろまったら、感染を止めることができなくなり、結果、社会のあらゆる面が麻痺してしまう。
 
・there is no way to slow(~する方法がない)
・result in ~ (結果、~なってしまう)
 
何かと使えそうですね。
 

Body2 人の高い移動性が前提となった経済活動のリスク

ふたつめのトピックセンテンスは、人々の高い移動性が前提となった現在の経済では、感染症拡大を悪化させるのは仕方がない、ということです。
 
つまり、コロナ以前は海外に行くなんて当たり前のことでした。それによってビジネスはどんどん拡大する一方でした。でも人が動けばウイルスも動く。そのようにしてウイルスが全世界へ移動していったわけです。そうなると人の動きを止めるしかない、ことになります。
それを high mobility で表現しています。
 
Second, it is all very well that globalization has enhanced the development of transportation and endowed people with greater mobility, but, unfortunately, due to this phenomenon, infectious diseases like COVID-19 have also become more transmittable than before. Given that economic activities always come along with such mobility, business activities, especially activities in the eating-out sector, should be restricted to stop causing another pandemic.

パラグラフ最初の it is all very well…but は「~は多いに結構だがしかし…」という決まり文句。譲歩のかっこいいバージョンでしょうか。

endow 人 with (人に~を与える)

become transmittable (伝染する可能性がある)

Given that も英作文では if の代わりによく使われます。

eating-out sector (外食セクター)foodservice industryなんかも使えそうです。

Body3 医療崩壊のリスク

3つめのトピックセンテンスは前半がすごく長いのですが、一番言いたいところは
give rise to the risk of overwhelming our medical services です。
 
Last but not least, the absence of restrictions on economic activities tends to accelerate the spread of the virus and increase the number of people who get infected at one time, and would give rise to the risk of overwhelming our medical services. In fact, a number of European countries failed to take prevention measures at the early stage of the spread of the coronavirus and the resulting rapid increase in the number of patients overwhelmed the capacity of medical institutions.

the absence of restrictions や accelerateはエッセイでヘビロテしそうなワードですね!

このパラグラフではエビデンスとしてヨーロッパでの医療崩壊の例を持ってきました。事実の提示なので In factを使っています。

Conclusion: 同じ形式で3つの理由をリステイト

最後のconclusionではBodyで述べた3つの理由をもう一度述べますが、この時形式をそろえることが大切と教わりました。

ここでは because of の後ろをすべて同じ形式の名詞句にしてリステイトしています。

To sum up, prevention of a rapid spread of coronaviruses should be a priority because of high population density in modern cities, high mobility of people, and the risk of overwhelming our medical services.

全部つなげてもう一度読んでみましょう

全体

Some say that preventing the spread of viruses should be a priority, but others say that economic activities should never be sacrificed. At the heart of this issue is a trade-off: which of the two should take priority over the other? We need to strike a balance between the two factors. I believe that prevention of the spread of coronavirus should take priority for the three reasons explained below.

 

First, the high density of urban population tends to advance the spread of coronavirus. And once this happens, there is no way to slow or stop the infection rate, resulting in a paralysis of every aspect of society, economic or otherwise.

Second, it is all very well that globalization has enhanced the development of transportation and endowed people with greater mobility, but, unfortunately, due to this phenomenon, infectious diseases like COVID-19 have also become more transmittable than before. Given that economic activities always come along with such mobility, business activities, especially activities in the eating-out sector, should be restricted to stop causing another pandemic.

Last but not least, the absence of restrictions on economic activities tends to accelerate the spread of the virus and increase the number of people who get infected at one time, and would give rise to the risk of overwhelming our medical services. In fact, a number of European countries failed to take prevention measures at the early stage of the spread of the coronavirus and the resulting rapid increase in the number of patients overwhelmed the capacity of medical institutions.

To sum up, prevention of a rapid spread of coronaviruses should be a priority because of high population density in modern cities, high mobility of people, and the risk of overwhelming our medical services. (288 words)

このレベルを楽に書けるようになりたいです♪

 

週末に集中勉強。ライティング満点で合格【英検準1級合格記】

こんにちは!

合格アンケートをいただきました♪

38人目の合格者です。週末集中勉強で準一級合格のMikkiさんです。

英検準1級合格 Mikkiさん

英検を受験した理由は?

自分の実力を知りたい、モチベーションアップ

CSEスコアを教えてください。

2429点(R602 L559 W750 S518)ライティングの得点16/16

ライティングはどのタイミングで書きましたか。

スタートして最初に書き上げた

何分くらいで完成しましたか。

25分くらい

苦労した点は?

リスニングが苦手なので苦労しました。練習した割にはスコアは伸びなかった。

合格するまで、どれくらいの期間勉強しましたか。

合格まで3年かかりました。仕事が忙しいので、週末に集中して勉強しました。

どんな教材を使いましたか。

旺文社のパス単、アスク出版のライティング大特訓、過去問題集など。

特に心がけた勉強法などあれば教えてください。

ノートを用意して、とにかく英作文を書きまくりました。難しい表現は避けて、自分のパターンを作り、ミスをしないように気をつけました。

このブログが役に立った点は?

予想問題や、英作文の添削、書き出しの工夫がたいへん参考になりました。

今後英検を受ける方へのメッセージ

50代の私ですが、10回目にして合格しました。あきらめないで努力すれば、目標を達成できると知りうれしかったです。

Mikkiさん、おめでとうございます。合格記ありがとうございました。

私も50代ですw 諦めずにやり続ければMikkiさんのように目標達成できますね。お仕事と勉強の両立大変だったと思いますが、初志貫徹されて素晴らしいと思います。ぜひここで歩みをとめず、次の目標に向かって進み続けてくださいね。

このサイトも皆さんのお役にたてる情報を提供してきますのでよろしくお願いいたします。

【大学入試】英検はいつまでに何級に合格すればいいの?英検2級・準1級

このサイトを見てくださっている方の中には、大学入試で英検®を利用したい学生さんがいらっしゃると思います。

共通テストの民間英語資格試験の活用は延期されましたが、英検を入試に活用する大学は今年もたくさんあります。では、いつまでに何級を取得すれば大学入試で有利になるのでしょうか。今日はこの点について検討してみます。

理想は準1級合格 現実的には英検2級合格

結論から言うと、理想は英検準1級合格。しかし、現実的には英検2級を目指すのがおすすめです。

期限は高校3年生の夏休み前までです。

多くの大学で英検準1級を持っていると英語の試験が免除されたり、100点換算されたりするので英検準1級を目指す高校生が多いです。

しかし、現役高校生を指導したり、我が子の高校生活などを見て私が思う結論は上の通り。その根拠を説明しますね。

英検2級は高校生なら合格できる

まず一番の理由は、英検2級なら高校生全員合格できます。

もちろん「努力すれば」と但し書きはつきますが、おおむね合格できる可能性大です。

その理由は、内容が高校で習う英語の内容とちょうどつりあっているからです。

英検協会によると、2級は「高校卒業程度」となっています。おそらく高校で習う内容に合わせているのです。

もし英検2級をまだ受験したことがない、みたことがない場合は英検®公式サイトで最新3回分の過去問が見られますのでご覧ください。そして高校生の方ならご自分の英語の教科書と比べてみてください。それほど大きな差はないはずです。

ちなみに前回の試験では、長文で出題されている内容は

アメリカのホームレスを救うプロジェクト

地球温暖化による海面上昇

野生動物の季節による集団移動

など、高校生でも十分理解できるような内容です。

ライティングのトピックも、人間の寿命が長くなっていることに関するもので、医療発展や食生活の向上など、身近な理由で書けそうなものです。

このように、2級は学生が受験することを想定して作られていることが分かります。2次試験(面接)もカードはマンガのようなイラストが描いてあり、明らかに子どもが受けることを想定しています。

また、特に海外経験がなくとも答えられるような問題が中心です。日本の義務教育の英語だけで十分答えられるように設計されています。つまり、2級は日本の高校生以下をきっちり合格させようという意図で作られているのです。

準1級はいきなり難易度アップ

2級に比べると、準1級はいきなり難易度がアップします。

英検協会が設定している準1級のレベルは「大学中級程度」。ということは共通テスト(旧センター試験)より難易度高めに作られているのではないかと思います。

対象となる受験者は大学生や大人に設定されているようです。そのため、社会的な内容が増えます。

ちなみに直近の試験で出題された長文のテーマは以下の通り。

ある蛾の生態について

アメリカの医療現場における患者の扱い方の変化について

ある島における部族について

などなど、身近な問題は少なくなり、学術的だったり新聞のコラムに載っていそうな内容になります。

ライティングトピックも「ツーリズム」に関するもので、ビジネスや社会に関心がないとやや難しく感じるものになります。

準1級はボキャブラリーの難易度が高い

2級との一番大きな違いはボキャブラリの難易度だと思います。準1級では以下のような語彙が出題されます。半分くらい分かれば準1級を受けても大丈夫だと思いますが、もしまったく見たこともないのであれば、難しいかなというところです。

fatigue, submission, expertise, exceptional, physically, stem, compulsory, predict…

私の経験では、準1級に合格している高校生は、海外生活経験があったり、英語にかなり興味があって自分で海外ドラマを見たりインターネットで海外コンテンツを見て楽しめるくらいの英語力がすでにある、また精神的にかなり成長していて時事的な内容を(日本語でも)しっかり理解できているような生徒です。

期限は高校3年生の夏休み前まで。

時期については、3年生の夏休み前までが現実的なところだと思います。

通常、英検は6月、10月、1月に公開試験を行います。2次試験は1次試験の翌月あたりになるので、7月、11月、2月くらいに合格発表があります。

大学入試が本格化するのが秋から冬にかけてですが、大学入試の教科は英語だけではありません。少なくとも3教科(1教科のところもありますが)、国公立なら5教科。共通テストの勉強もしなければなりません。それを考えると英検に力を注げるのは夏前まで。6月の試験が実質最後の試験になります。

高1の間に2級合格なら準1級も射程内?

英検と大学受験のスケジュールから考えると、高校入学後に受験できる英検の回数は7回です。

高1×3回+高2×3回+高3×1回

今年のように感染症流行で試験がキャンセルされたり、部活や体調で受験できなかったりするともっと少なくなります。

また、英検の各級の難易度の差はけっこうあります。準2級→2級は一発合格もそれほど珍しくありませんが、2級→準1級の一発合格はいまのところお目にかかったことがありません。

総合的に考えて、もし準1級を本気で狙うのであれば、高1の間に2級に合格しておかなればかなり難しいと思います。

CSEスコアの入試利用も増えている

ここまでで、高校生にとって2級は合格圏内だが準1級は難易度高という話をしました。

しかし、ここで別の戦略を提案したいと思います。

級にこだわるのではなくCSEスコアにこだわる戦略です。

CSEスコアとは

CSEスコアとは英検の点数を元に算出したスコアのことです。CSEスコアについては以下の記事で詳しく解説しております。

近年、級に加えCSEスコアの値で換算や加点をする大学が増えてきています

こちらは学習院大学の国際社会科学部の募集要項(パスナビの検索結果)です。

英検結果によって出願と換算がありますが、級に加えてCSEスコアによって可算される点数が違います。

2級の場合は3種類あり、CSEスコア1980→100点、2120→110点、2260→120点、となります。

もし2級合格でCSEスコアが2260点以上あれば、準1級合格で2304~2539と比べて10点しか換算結果が変わりません

2級は満点が2600点ですので、2級を複数回受験してCSEスコアをなるべく高くしておくと準1級合格にかなり近い加点がもらえることになります。

実際、わたしの生徒にもこのような効果を狙って2級を繰り返し受験した生徒もいます。もし希望している大学がこのようなCSEスコアの利用方法をしているのであれば、無理に準1級合格を目指すよりも少ない勉強量で同等の効果を得られる可能性があります。

まとめ
大学受験に英検を利用するなら、理想は準1級合格。現実的には2級合格。
時期は高校3年生の夏休み前まで。
準1級合格を本気で目指すなら、高校1年生の間に2級に合格しておこう。
2級のCSEスコアを高めておけば、準1級と同等程度の加点などがもらえる場合もある。