英文であなたが所有格をよく書き忘れる理由【日英差が原因で起こる日本人共通の英語ミス】

こんにちは。

自宅で英語、中国語、日本語を勉強中のモリーニョです。

以前も記事にさせていただいたのですが、私は外国人に日本語を教えたいと思い、日本語教師の資格を取りました。日本語教師デビューに向けて日本語の文法を勉強しているところです。

日本語の文法を勉強してみて、英語と日本語の文法があまりにも違うことに改めて驚き、日本人共通のミスが起こる原因がはっきりわかるようになりました。

今日は、日本人がよくやってしまう間違いを日英文法の違い、ひいては文化そのものの違いという観点から考えてみたいと思います。

目次

どっちが正しい?「昨日、祖父母の家に行きました。」

問題です。「昨日、祖父母の家に行きました。」を英語にすると、どちらが的確でしょう。

A:I visited grandparents yesterday.

B:I visited my grandparents yesterday.

答えは…

Bです(#^.^#)

簡単でしたか?

しかし、英検3級を受けるような小中学生に書いてもらうと、Aのような間違いが多いです。

「誰の祖父母なん?」とつっこむと、「あっ」と言いながら my を書き足してくれますw

大人の初級学習者もよく所有格を落とします。

「わたしの祖父母」とは言わない日本語

なぜ日本人は所有格をよく落としてしまうのでしょうか。

それは、日本語の問題文を見ると分かります。日本語の文には「祖父母」としか書いてなくて「わたしの祖父母」とは書いていないからです。

日本語では、いちいち「わたしの祖父母」なんて言いません。言わなくてもわかるからです。

一方、英語はいちいち「誰の」かをクリアにします。「私の」と限定しないと、もしかしたら他人の祖父母の家に行った可能性もあると考えるからです。(んなわけないが)

日本人が英文を作る時は常に「誰の」かを意識して補っていく必要があり、逆に日本語を勉強している外国人は「私の」や「あなたの」と言った言葉は削っていく必要があるのです。

ハイコンテクスト文化の日本語 ローコンテクスト文化の英語

日本語は曖昧で、英語がクリア。この違いはどこから?

その理由は「ハイコンテクスト文化」で説明できます。

これはアメリカの文化人類学者ホールが唱えた説で、コミュニケーションにおいて共有される認識や価値観が多いか少ないかに着目した文化論です。

共有されるものが多いと「言わなくても分かる」ため言語への依存度が下がり、コンテクスト(状況)に依存することになります。これを「ハイコンテクスト文化」と言います。

共有されるものが少ないと「言わなければ分からない」ため言語への依存が高くなり、何でも明確に言わなければならなくなります。これが「ローコンテクスト文化」。

ホール氏によると、日本はハイコンテクスト文化の国で、曖昧な表現が好まれる文化。

これはすとんと腹に落ちますね。はっきり言わないことが日本の美徳ですからね。ちなみに、韓国、アラブ諸国もハイコンテクスト文化だそうです。納得。

一方、ドイツ、フランス、アメリカはローコンテクストの国。英語はドイツ語やフランス語にたくさん影響を受けているので、ハッキリ物言う言語と言えます。

文化の違いが生む、言語の違い。これを意識しないと無意識に言葉足らずになってしまい、ミスにつながるんですね。

cofidence? self-confidence? 自信を持つのは誰?

先日私がネイティブの先生に直された文を紹介します。

初めて人に会う時、良い服を着るのと良いです。なぜなら良い服は自信をくれるからです。

When meeting someone for the first time, wearing nice clothes is a good idea because good clothes give us confidence.

これを見た先生が、「自信を持つのは誰?あなた?他の人?」と質問してきました。私はなぜそんな質問をされるのか最初わからなかったのですが、「あなた自信が服によって自信がつくなら、self-confidenceの方がいい」と言われました。

When meeting someone for the first time, wearing nice clothes is a good idea because good clothes give us confidence self-confidence.

「誰の自信なのか?」そういう視点は、日本人にはあまりないかもしれません。私が話してるんだから、私の自信に決まってるじゃない?…それは日本人以外には通じないのかもしれません。

そういった意識を持つことで、よりナチュラルな英文へ近づくかもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. Miki Yamashita より:

    こんにちは。ずっとお礼が言いたかったのですが、こんなに遅くなってしまいました。私は50代で英検準1級にチャレンジを始めたのですが英作文が苦手で、モリーニョさんのサイトがたいへん参考になりました。恥ずかしくて英作文を送ったことはありませんが、提示してくださった例文はとても参考になりました。何度も落ち続け、もうあきらめようかと思ったのですが、モリーニョさんが努力を続ければいつか受かると言っていたのが励みになり、前回の英検で10回目にして合格しました!なんとライティングは満点で、それで受かれました。本当にあきらめなくてよかったです。ありがとうございました。 Miki

    • morinho より:

      Mikiさん、コメントありがとうございます(#^.^#)準1級おめでとうございます。参考になってよかったです。あきらめなければ大丈夫ですね。これからもぜひ英語を続けてください。わたしもほそぼそながらブログを続けていきます。