こんにちは。
2018年度第1回検定(本会場6/3実施)の申し込み受付が始まっています。受付は5/11まで。
以前からずっと気になっていた、センター試験後継の2020年度からの「大学入試共通テスト」で導入される英語外部検定・資格がやっと発表されました。ニュースで報じられているように、英検は従来型がまさかの落選でした!
独立行政法人大学入試センターの発表はこちら↓
目次
1次・2次試験方式ではなく、4技能をすべて判定する方式採用
英検はこれまでの方式(1次試験合格者のみが2次試験を受験)が不採用となり、合否に関係なく4技能をテストする代替案3方式が採用となりました。
歴史ある英検がまさかの落選。と、驚きをもって報じられていますが、考えてみれば、至極当然の結果だったように思います。
1次に受からないとスピーキングテストが受けられないのでは、共通テストとしては機能していません。
大学受験生が主に受けるであろう2級・準1級は、1次合格率がそんなに高くないです。現状で決まっているルールでは、高3時に2回まで受験した結果で判断ということなので、2回とも1次試験不合格の人が大多数のはずです。それでは判定できなくて困るので、4技能をすべて受験できる方式にするのが当然です。
この判断のおかげで、合否に惑わされず、思い切って受験できるようになりました。その点は評価できるかもしれません(いろいろと問題はありますが)
では、共通テストによって英検はどのように変わるのでしょうか?現在公表されている資料から、2020年度の英検がどのように変わるのか考えてみたいと思います。
4技能を全員が判定できる3方式の英検
2020年度に向けて、共通テスト用に以下の3つの方式の英検が順次スタートします。
英検CBT(仮称) |
1日完結型(仮称) |
公開会場実施(仮称) |
全部(仮称)がついていることからもわかるように、これら3つの方式は現時点では「案」であり、今後順次運用がスタートする予定です。
実施要領や受験料は今後変更する可能性大ですが、現時点で決まっている点を中心に見ていきましょう。
英検CBT 2018年8月スタート 2級・準2級・3級
まず、一番直近で始まるのが「英検CBT」です。今年の8月から実施予定なので、あと4か月後に始まります。
CBTとはComputer-Based Testingの略。英検CBTはすべてコンピューターを使って受験する方式です。4技能を1日で受験できます。
英検CBTは毎月受験が実施される予定。また、後ほど説明する他の2方式は原則的に高3しか受験できませんが、英検CBTは年齢制限がありません。つまり、高1、高2生が練習のためや、私立大学受験のために受験したり、小中学生や大人がいろいろな理由で受験するのに向いた形式です。
ただし、いまのところ2級・準2級・3級しかないので、国公立大学や難関私大を目指す受験生には向かないかもしれません(準1級レベルくらいが求められるので)。そのような受験生が受けるのは、1日完結型か、公開会場実施型になりそうです。
1日完結型 2019年度より実施予定 準1~3級
「1日完結型」は、4技能を1日で受験する形式。「英検CBT」との違いは、スピーキング以外はPBT(従来通りの紙の試験)で、スピーキングのみコンピュータに録音します。
準1~3級まであり、実施会場も47都道府県と3方式の中で一番多く、おそらく共通テストの英検の主流と位置付けられている方式と思われます。
1日ですべて終わるので、受験生への負担も少なくて良いですね。この1日完結型英検は、高3生または浪人生しか受験できない予定です。
1日完結型については、以前に記事にまとめています↓
公開会場実施 2019年度より実施予定 1~3級
最後の方式は「公開会場実施」方式です。こちらはRLWの3技能を紙形式で実施し、スピーキングを後日全員が受験する2日型の方式。
この方式はおそらく「1日完結型」では対応できない場合の代替案として用意されたと思われます。例えば、録音機能のある会場を準備できない場合や、障害等のある生徒のニーズに合わせる場合などでしょうか。スピーキングが従来通り、対面式になっているのはそのためでしょう。1級が受験できるのもこの方式だけ。公開会場実施も、受験できるのは高3生と浪人生のみの予定です。
3方式の検定料など、まとめ
公開会場実施 | 1日完結 | CBT | |
実施開始 | 2019年度より | 2019年度より | 2018年度8月より |
会場数 | 約400 | 47都道府県 | 大都市19会場 |
受験日数 | 2日 | 1日 | 1日 |
1級 | 16500円 | ー | ー |
準1級 | 9800円 | 9800円 | ー |
2級 | 7500円 | 7500円 | 7500円 |
準2級 | 6900円 | 6900円 | 6900円 |
3級 | 5800円 | 5800円 | 5800円 |
検定料について、お気づきかと思いますが、従来の英検より割高です。
参考価格:従来英検受験料(本会場)
1級 | 8400円 |
準1級 | 6900円 |
2級 | 5800円 |
準2級 | 5200円 |
3級 | 3800円 |
会場設営や運営費が従来よりもかかるのは理解できます。でも、高3時に2回受験することを考えるとかなりの負担増です。
例えば、準1級を2回受験すると19600円。その他の教科を受験するのに、共通テスト自体の検定料もかかるので、トータルでは今よりかなりコスト増です。英検以外の外部検定を受験する場合では、もっとかかります。(IELTSなら1回25380円)受験生の経済負担軽減については、今後どのように決まっていくのか?親目線で気になります。
共通テストで導入される新しい英検3方式の詳しい説明は英検ホームページにあります↓
従来型はなくならない 私大等での優遇は(たぶん)続行
以上、2020年度からの共通テストで導入される英検の姿を見てきて、これまでの英検はなくなっちゃうんだ、と思われたかもしれませんが、それは違います。
ここで取り上げた新しい方式は、共通テスト用に英検を受ける場合の話。自分の実力を試したい、就職や高校受験、私立大学を受験する場合は、従来通りのままです。
ここ数年、英検準1級合格ならセンター試験の英語をみなし満点。などの優遇措置が私立大学中心に広がっています。おそらくそれは今後も変化なしでしょう。また、〇級合格なら英語試験免除。などの受験優遇も増えていて、今後さらに多くの私大などで採用されそうです。
また、共通テストは問題山積みで不安視する声が大きいので、今後どのように変化するかわからないのが現状です。
2023年以降は共通テストの英語は廃止され、外部検定・資格のみで対応すると決まっていますが、わたしは共通テストの英語はなくならないのではないかと予想しています。
ということで、今後もこのトピックを注目したいと思います。